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フリーランスのインボイス登録タイミング|2年待った理由

2026.09.15更新: 2026.09.1632 min read
フリーランスのインボイス登録タイミング|2年待った理由

フリーランスに転向してから2年間、インボイス登録をしなかった。理由はシンプルで、登録すれば消費税を納める側に回り、手取りが下がると分かっていたからだ。

それでも2026年10月から登録することにした。しかも取引先に催促されて渋々ではない。自分から取引先に「登録するタイミング」を提案した。この記事では、2年間登録しなかった判断の中身と、なぜ今なのかを、実際の売上・納税見込みの数字とともに書く。

インボイス制度の解説記事は検索すればいくらでも出てくる。だが「登録すべきかは状況によります」以上のことは、税理士事務所のサイトには書けない。ここに書くのは、自分の実数で判断した記録だ。制度の正確な数字(割合・要件・期限)は国税庁の一次情報にあたって書いているが、登録するかどうかの最終判断は税理士に確認してほしい。自分は税理士資格を持っておらず、これは税務相談ではない。

この記事の対象読者

  • 年間売上1,000万円前後のフリーランスエンジニアで、登録するかまだしないかを今まさに決めたい
  • 制度の説明はもう読んだ。それより「実際に登録した人が何を考えたか」を知りたい
  • 取引先から登録を求められたが、すぐには決められず迷っている
  • 「登録しない」を選んだ人の実例と、その後どう気持ちが変わったのかを知りたい

この記事の立ち位置
筆者は税理士ではなく、顧問税理士もいない。確定申告は毎年自分でやっている。ここに書くのは実体験と判断の記録であり、個別の税務相談への回答ではない。制度の要件・割合・期限は国税庁の公式情報を出典として明記した。自分のケースに当てはめる際は、必ず税理士に確認してほしい。


なぜ2年間、インボイス登録をしなかったのか

独立したのは2024年5月。その時点でインボイス制度自体は知っていた。2023年10月に始まった制度なので、独立の半年前から動いていたことになる。

登録しなかった理由は3つ重なっている。

  1. 登録すると消費税を納める側になり、単純に損すると判断した(自分でネットを調べて、消費税の納税義務が発生する仕組みを理解した上での判断)
  2. 取引先から一度も求められなかったので、やる理由がなかった
  3. 売上が1,000万円を超えたら、そのとき考えればいいと思っていた

誰かに「登録しなくていい」と言われたわけではない。自分で調べて、「登録しなくても案件が取れるなら、その方が手取りは強い」と判断しただけだ。フリーランス1年目はエージェント経由の案件、2年目からは新卒時代の縁で直請け(本業)と、副業でスタートアップのSaaS開発を並行している。どちらも人脈経由の直請けに近い形で始まった案件で、はじめから「インボイス登録が前提」と言われる案件ではなかった。

直請け中心なら「登録しない」が2年成立した
エージェント経由の案件が中心だと、エージェント側が課税事業者として仕入税額控除を必要とするため登録前提になりやすい。人脈経由の直請けだけで案件を回せていたことが、2年間登録しなかった判断を支えていた。バックエンドエンジニアの案件獲得経路についてはバックエンドエンジニアのフリーランス完全ガイドで詳しく書いている。

取引先の反応は、本業と副業でまったく違った

この2年間、取引先から何か言われたことがあったかは、直請けと副業で反応がはっきり分かれた。

反応
本業(直請け・月80万円)登録してほしいと明確に依頼された
副業(スタートアップSaaS・月40万円)2年間、一度も何も言われていない

本業側で登録を求められたのは、ある案件への参画にあたっての条件面談だった。オンラインで「ある程度ちゃんとしている会社であれば求められるから、今のうちにしておいたほうがいい」と言われた。建前としてはそう説明されたが、相手の本音は仕入税額控除を使いたいことだろうと自分では捉えている。

一方、副業のスタートアップは2年間一度もインボイスの話をしてこなかった。規模の小さい会社ほど、免税事業者からの請求でも大きな痛手にならない、あるいは経理側でそこまで気にしていない、という状況が起きているのだと思う。

請求書は毎月freeeの請求書機能で発行している。未登録のまま、消費税は請求に乗せていた。 免税事業者であっても、請求書に消費税相当額を上乗せすること自体は禁止されていない。登録していない以上、それを国に納める義務もない。上乗せした分がそのまま自分の取り分になっていた、というのが2年間の実態だ。この「免税事業者が消費税分を受け取りながら納めずに済む」構造は一般に「益税」と呼ばれる。登録しない判断が2年間手取りにプラスに効いていた理由はここにある。

2026年10月に登録する、本当のきっかけ

判断が変わったきっかけは、2026年5月ごろに新しい案件の参画が決まったタイミングだった。契約前の条件面談で、先方から「インボイス登録をしておいたほうがいい」と言われた。

ここで単純に「はい、登録します」と答えなかったのが、この記事で一番書きたい部分だ。契約は12月までの期間だったので、こちらの都合もあるからと伝え、自分から段階的な提案をした

  • 6〜9月:インボイスなしのまま契約を継続する
  • 10〜12月:インボイス登録済みの状態に切り替える

なぜ即座に全期間登録にしなかったのか。理由は「途中でやめるとしたら、それを説明できる材料が他になかったから」だ。登録は一度すると簡単に後戻りできない。契約期間の途中でいきなり全部切り替えるのではなく、区切りをつけて自分のペースで移行するほうが、後から「やっぱり合わなかった」となったときの説明が立つ。取引先側もこちらの提案をそのまま受け入れてくれた。

10月1日という日付は、制度の区切りに合わせたわけではなく、自分で選んだ。実際には、免税事業者が課税期間の途中からインボイス登録をする場合、申請書に記載する「登録希望日」は提出日から15日以降でなければならないという実務上の制約がある(詳しくは次の章で触れる)。この15日ルールが、10月1日という具体的な日付を選ぶ際の実務的な締切として効いてくる。

きっかけを検索したときの最初の一手は、取引先から教えてもらった「2割特例」というキーワードだった。そこからGoogle検索で記事を読み、自分に適用されるかを調べていった。「売上が1,000万円を超えたら考える」と思っていた基準とは別の入り口から、登録の判断に至った形になる。

「登録する/しない」の二択ではなく、時期を交渉する
登録を求められたときに、その場で全面的に受け入れるか断るかの二択で考えがちだ。だが契約期間の途中に段階を設けて提案する余地は、少なくとも一度は交渉の材料になる。取引先側も仕入税額控除の経過措置がある間は多少の猶予を許容できるケースがある。


令和8年度税制改正で、インボイスの数字はまた変わった

ここからは自分の判断ではなく、国税庁の一次情報にあたって書く制度の話だ。インボイス制度は2023年10月の開始以降も改正が続いており、2026年(令和8年度)の税制改正でさらに数字が変わっている。 ネット上の解説記事の多くは改正前の数字のまま止まっているため、ここは差別化できる部分だと考えている。

免税事業者からの仕入れに係る経過措置

取引先が免税事業者(インボイス未登録の事業者)から仕入れた場合でも、一定期間は消費税の一部を仕入税額として控除できる経過措置がある。この控除割合が段階的に下がっていく設計だ。当初予定より緩和され、以下のスケジュールに組み替えられている。

期間控除できる割合
2023年10月1日〜2026年9月30日(令和5年10月〜令和8年9月)80%
2026年10月1日〜2028年9月30日(令和8年10月〜令和10年9月)70%
2028年10月1日〜2030年9月30日(令和10年10月〜令和12年9月)50%
2030年10月1日〜2031年9月30日(令和12年10月〜令和13年9月)30%
2031年10月1日〜(令和13年10月〜)控除不可

さらに、一つの事業者からの課税仕入れ合計が年1億円を超える部分については、この経過措置の適用対象外になるという上限要件も新設されている(改正前は10億円)。取引先の規模によっては、こちらが登録していなくても仕入税額控除できる余地が想像より小さくなっている可能性がある。

「まだ大丈夫」の根拠は年々弱くなる
2026年9月末までは控除割合80%だが、10月からは70%に下がる。取引先が仕入税額控除にシビアな会社であるほど、免税事業者のままでいることの発注側デメリットが年々大きくなる設計になっている。

2割特例:個人事業者は2026年分(令和8年分)が最後

「2割特例」は、免税事業者がインボイス登録をしたことによって課税事業者になった場合に、消費税の納付額を売上税額の2割に抑えられる特例だ。簡易課税よりも簡単な計算で済み、負担も軽い。

ただし条件がある。

  • 対象は「登録したことで課税事業者になった」ケースに限られる(もともと売上が1,000万円を超えていて課税事業者になる場合は対象外)
  • 個人事業者は2023年分から2026年分(令和8年分)までが最後。2027年分(令和9年分)以降は使えない
  • 基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円を超えていると使えない

「基準期間」がポイントだ。個人事業者の消費税の基準期間は「2年前の1年間」になる。つまり2026年分の判定に使われるのは2024年の売上、2027年分の判定に使われるのは2025年の売上ということになる。この基準期間の実額は、次の章で自分のケースに当てはめる。

3割特例:2割特例の後継として新設

2割特例が2026年分で終わることを受けて、令和8年度税制改正で新しく「3割特例」が創設された。

  • 対象:**個人事業者の2027年分・2028年分(令和9年分・令和10年分)**の消費税申告
  • 要件:インボイス発行事業者であること/基準期間の課税売上高が1,000万円以下であること
  • 内容:納付税額を売上税額の3割に抑えられる(控除割合にすると7割控除)

2割特例と同様に「登録したことで課税事業者になった」場合が対象で、もともと基準期間の売上が1,000万円を超えていて課税事業者にならざるを得ない場合は対象外になる。この「もともと」の部分が、次の章の話に直結する。

登録手続き:途中登録は「登録希望日は提出日から15日以降」

免税事業者が課税期間の途中からインボイス登録をする場合、登録申請書に「登録希望日」を記載する。この登録希望日は、申請書の提出日から起算して15日以降でなければならない。たとえば10月1日付で登録したい場合、9月16日までに申請書を提出しておく必要がある、という計算になる。実際の登録完了通知が登録希望日より後になっても、登録希望日にさかのぼって登録を受けたものとみなされる。

「10月1日から」「来月から」のように区切りのいい日付で登録したい場合、この15日ルールが実務上の締切になる。

出典
国税庁「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」、「登録制度の見直しと手続の柔軟化に関する概要」、「2割特例 特設ページ」、「令和8年度税制改正特集(インボイス制度の見直し関係)」を参照して整理した。数値・要件は必ず国税庁の最新公表資料でも確認してほしい。


登録すると手取りはどう変わるか(実数で試算)

ここが記事の信頼性の核になる部分だ。年間の売上(税別)は次のように推移している。

売上(税別・概算)
2024年(5月独立〜12月)約500万円
2025年(通年)約1,200万円
2026年(着地見込み)約1,200万円

前章で触れた「基準期間」のルールに、この実数を当てはめると気づくことがある。

  • 2026年分の基準期間は2024年(約500万円) → 1,000万円以下なので、登録によって初めて課税事業者になる形が成立する。2割特例の対象になる
  • 2027年分の基準期間は2025年(約1,200万円)1,000万円を超えている

つまり、2027年分については、たとえインボイス登録をしていなくても、2025年の売上が1,000万円を超えている以上、事業者免税点制度の適用を受けられなくなり、自動的に消費税の課税事業者になる(これはインボイス制度とは別に昔からある消費税法の基本ルールだ)。そしてこの場合、「登録したことで課税事業者になった」わけではないため、3割特例の対象にもならない可能性が高い

「登録するかどうか」は、実はもう選べなくなりつつあった
2025年の売上が1,000万円を超えている時点で、2027年分から消費税の納税義務そのものは避けられない。2026年10月の登録は「登録するかどうか」の判断というより、「2割特例が使える最後の年に、インボイス発行事業者にもなっておくかどうか」の判断に近い。ここは自分自身、記事を書くために数字を整理していて初めて気づいた部分だ。実際の適用可否は必ず税理士に確認してほしい。

登録による年間の納税額は、シミュレーターで試算した限りでは約15万円という見込みになっている。これは2026年分について、2割特例が適用される前提での概算だ。2026年は10月からの登録なので、消費税の課税対象になる期間もその年の一部にとどまる。2027年分以降は基準期間の売上が1,000万円を超えているため、簡易課税(受託開発は多くの場合、第5種事業=みなし仕入率50%に区分される)か原則課税での計算に切り替わる見込みで、納税額は2026年より重くなる想定でいる。

本業・副業とも報酬は税込で決まっているため、登録後に消費税分を上乗せして請求できるわけではなく、納める消費税分がそのまま手取りの減少につながる。ここが「登録すると手取りが下がる」と判断していた根拠になる。

2割特例の計算そのものは単純だ。売上にかかる消費税額(税抜売上×10%)に対して、その2割だけを納めればいい。たとえば税抜売上が1,000万円のフリーランスなら、預かる消費税は100万円、2割特例なら納付額はその2割の20万円で済む。簡易課税(第5種・みなし仕入率50%)なら納付額は50万円になるので、単純計算でも2割特例の負担の軽さが分かる。自分の見込み納税額が約15万円というのは、10月からの登録で課税対象期間が2026年内の一部にとどまることと、この2割特例の計算が組み合わさった結果になる。

2027年以降は簡易課税・原則課税での試算が必要
2割特例が終わる2027年分(3割特例の対象になるかは基準期間しだい)以降は、納税額が今年より重くなる前提で資金繰りを考えておく必要がある。「来年の更新で単価交渉をして売上を増やす」という自分の対応策は、この負担増を見込んだ上でのものだ。


迷ったこと、今も解消していない不安

登録を決めるまでに迷ったことは、実はそれほど多くなかった。一番大きかったのは「手取りが減ること」、それに尽きる。

登録を決める前に、やめておこうと思った瞬間もあった。理由は同じで「手取りが下がるから」だ。ただ、その場でやめる決断まではせず、前章で書いた「6〜9月はインボイスなし、10〜12月はインボイスあり」という段階的な提案に落ち着いた。理由はすでに書いたとおり、途中でやめる場合にそれを説明できる材料が他になかったからだ。

一番大きかった「手取りが減ること」への不安をどう解消したか。結論は、来年の更新のタイミングで単価交渉をして、売上そのものを増やせばいい、という考え方だった。消費税を納める分を経費や節約で埋めるのではなく、単価を上げて収入側で吸収する発想だ。これは今のところ「解消した」というより「解消する計画がある」という段階で、実行はこれからになる。

消費税の申告そのものについての率直な気持ちは、一言で言うと「めんどくさい」。所得税の確定申告は2年間自分でやってきて慣れてきたが、消費税の申告はこれが初めてになる。freeeで対応できる範囲だとは思っているが、実際にやってみるまでは分からない部分もある。

2年前の自分と、同じ立場のエンジニアに何と言うか

2年前、独立したばかりの自分に言うとしたら、「しなくて正解だった。2年粘ってよかった」と言う。理由は一言で、手取りが下がるからだ。この2年間で一番「登録していなくてよかった」と思った瞬間も同じで、単純に手取りが増えていたことに尽きる。

同じ立場のフリーランスエンジニアに対しては、条件をこう分けて考えている。

条件判断
取引先から登録を求められている登録したほうがいい
登録しなくても案件が取れているまだしなくていい

シンプルだが、これが自分の実感に一番近い。制度の複雑さに気を取られて「そろそろ登録しないと」と焦る前に、まず自分の取引先が実際に何を求めているかを確認するのが先だと思っている。


判断基準:自分に当てはめるための表

ここまでの内容を、読者が自分の状況に当てはめやすい形にまとめる。

状況目安
取引先(特に大企業・上場企業)から登録を明確に求められている登録を検討する
人脈経由の直請けが中心で、誰にも求められていない登録しない選択も有効
2年前の課税売上高(基準期間)が1,000万円以下登録すれば2割特例(〜2026年分)・3割特例(2027〜2028年分)の対象になり得る
2年前の課税売上高がすでに1,000万円を超えているインボイス登録の有無にかかわらず、消費税の課税事業者になる可能性が高い(要確認)
契約期間の途中で登録を求められた全面受諾ではなく、段階的な移行を提案できないか検討する

よくある質問(FAQ)

インボイス登録をしないとどうなる?

取引先は免税事業者からの仕入れについて、消費税の仕入税額控除を制限される(2026年9月末までは80%、10月以降は70%に段階的に縮小)。取引先の規模や経理方針によっては「登録してほしい」と言われることがあるが、必ず求められるとは限らない。自分の場合、副業側の取引先からは2年間一度も言われなかった。

2割特例は誰でも使える?

いいえ。免税事業者がインボイス登録をしたことによって課税事業者になった場合に限られる。基準期間(2年前)の課税売上高がすでに1,000万円を超えていて、登録しなくても課税事業者にならざるを得ない場合は対象外になる。個人事業者は2026年分(令和8年分)が最後で、2027年分以降は使えない。

登録した後に、やっぱりやめることはできる?

「適格請求書発行事業者の登録取消届出書」を提出すれば取りやめることはできるが、提出のタイミングによって取消しの効力が発生する時期が決まっており、すぐに免税事業者に戻れるわけではない。一度登録すると簡単には後戻りできない前提で判断したほうがいい。

簡易課税と2割特例、どちらがいい?

2割特例が使える期間(個人事業者は2026年分まで)は、多くの場合2割特例のほうが納税額・事務負担ともに軽い。2割特例が使えなくなった後は、業種区分に応じたみなし仕入率で計算する簡易課税か、実際の仕入税額を積み上げる原則課税のどちらかを選ぶことになる。受託開発は多くの場合、簡易課税の第5種事業(サービス業等・みなし仕入率50%)に区分されるが、業務内容によって区分が変わる可能性があるため、税理士や国税庁の事業区分表で確認してほしい。

取引先に登録を求められたら、必ず応じないといけない?

法律上、免税事業者にインボイス登録の義務はない。取引先が「登録してほしい」と言うのは、多くの場合、経過措置が縮小していく中で仕入税額控除を確保したいという相手側の事情による。応じるかどうかは交渉の余地があり、自分の場合は全面受諾ではなく段階的な移行を提案して合意を得た。ただし、応じない場合は契約条件(単価・継続の可否)に影響する可能性がある点は踏まえておく必要がある。

本業だけ登録して、副業は免税のままにできる?

できない。インボイス登録は「事業」単位ではなく「個人事業主」単位で行うものなので、本業と副業を分けて一方だけ登録するということはできない。屋号を分けていても、同一人物の個人事業主としての売上はすべて合算して扱われる。自分の場合も、本業側の事情で登録した以上、副業側の請求書もすべて登録後の適格請求書に切り替わる。

登録のタイミングを逃すと、あとで不利になる?

経過措置の控除割合は2026年9月末の80%から10月以降70%に、その後も段階的に下がっていく。取引先が仕入税額控除を重視する会社であるほど、免税事業者のままでいることの発注側デメリットは年を追うごとに大きくなる設計だ。「まだ大丈夫」という判断の根拠は、時間が経つほど弱くなっていくと考えたほうがいい。


まとめ:登録タイミングを考えるときにやること

  1. 取引先に、実際に何を求められているかを確認する(大企業・上場企業ほど仕入税額控除の経過措置縮小に敏感になっている)
  2. 自分の基準期間(2年前)の課税売上高を確認する。1,000万円以下なら2割特例・3割特例の対象になり得る
  3. 契約期間の途中で求められた場合は、全面受諾の前に段階的な移行を提案できないか考える
  4. 登録後の手取り減少分を、単価交渉や売上増でどう埋めるかを先に考えておく
  5. 判断に迷う部分は、税理士に確認する。自分はまだ税理士に相談したことがなく、それ自体が今の不安の一つになっている

自分で決めて、自分で対応してきたつもりだが、消費税の申告は初めての経験になる。制度の要件(基準期間・特例の適用可否など)は自分のケースだけでも判断が分かれる部分があり、正直、今回初めて税理士への相談を検討している。同じように「登録すべきか」で止まっている人は、制度の解説を何度も読み返すより先に、一度自分の実額を持って専門家に確認するほうが早いはずだ。2年間登録しなかったこと自体は後悔していない。ただ、その2年間で得た手取りの余裕と引き換えに、いつかは向き合わなければならない数字だったのも事実だ。

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DO
この記事を書いた人
DevOctane

バックエンド/インフラエンジニア歴8年。SES客先常駐から大手自社開発企業へ転職後、フリーランスとして独立。AWS・コンテナ・FinOps・バックエンド領域を中心に現場で培った知識を発信しています。